戦慄の魔説
体は切り傷だらけだった
頭がふらふらする
血を流しすぎたみたいだ
それでも相手の攻撃は続いていた

「いい加減に、しろ!!」
爪をはじき刀を振る

初めて浅いながらも刃を届かせた

言葉にならない叫び声をあげ相手は後退する


「傷は大丈夫かい?僕も小さいながらも力を貸すよ」


俺の横に並ぶサハラさん
弓矢を構え狙っている

「僕も昔は戦えたんだけど足を不自由にしてしまってね。しかし早いね。まるで吸血鬼みたいな力だ」


確かにそうだ
速さも力まるでヴァレルドを相手にしてるかのようだ

そういえば爪についた血を舐めたりしていた気がする


「あの~サハラさん、俺の血から吸血鬼になるとかあったりするんですかね」

「あったりしちゃうんじゃないかな?」


俺が吸血鬼になったのもそんな感じだった
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