この出会いが奇跡なら-上-
怖すぎる飛行機から2時間。
やっとの事、目的地に到着した。
「あーやっと着いた…」
「お疲れ、楽しかったねー」
「どこが!」
「ここで10分休憩な」
教師の言葉にみんなはまた「はあ…」とため息を漏らしつつ、地面にストンと座り込む。
あたしも座り込もうとしたその時、
「成宮さん」
何度か聞いた事のある声で、そう名前を後ろから呼ばれた。
ゆっくりと名前を呼ばれた方へ振り返ると、あたしの後ろには、あの時以来会っていない山下智樹君が経っていた。