この出会いが奇跡なら-上-
「ええと、あたし、肝試しとか苦手で…」
「大丈夫。僕がついてるから」
何故か、その言葉にドクンと心臓が高鳴った。
かっこいいと評判の山下君だけあって、顔とセリフが見事にマッチしてる。
うわ、なんか熱い。
「…さーくら、顔赤ぇよ?」
いきなりあたしの肩にぐるんと腕がまわってきて、それにびっくりして、バっと後ろへ振り向く。
「――こ、光輝っ」
あたしが光輝の名前を呼ぶと、光輝はあたしにニッコリと笑みを漏らす。
「よう、山下」
「木塚君」
「悪いけどさ、こいつと回るの俺だから」
「は!?あんた3組でしょう!?」
「教師が決めた事なんて関係ないって」
「あ、あるでしょ!」
「そうゆう事だから、じゃあね。山下」
「え、ちょ…!」
いきなり手を引っ張られて、山下君の場からスタスタと離れる。
何なの!コイツ!