この出会いが奇跡なら-上-
山下君から大分遠のいた先、光輝の足がぴたりと止まった。
「桜さぁ、馬鹿じゃないの?」
「え?何で?」
「あんなのさ、桜に気があるの丸見えじゃん」
「…え!は!?いや、ないでしょ」
「……まじ危ない。お前」
「何それ!訳分かんない」
「俺が行かなかったら今日の肝試し、お前絶対危なかったね」
「そんなことないよ。山下君いい人だもん」
「ふーん、あっそ」
「な、何よ!」
「あ、俺の組集合かかってる。じゃあまたな」
「…え、うん」
い、意味分かんない。