この出会いが奇跡なら-上-
不安な予感
その後、またバスに乗り、ホテルの前に到着する。
「うわー、結構豪華」
「金あったんだね、うちの学校にも」
「…愛子」
ほんとリアルな事ズバリと言ってくれる。
でも、あたしが唯一楽しみで仕方がないのは、何と言ってもホテルの中。
外からも豪華な感じが出ているこのホテルは、中も相当奇麗なんだろう。
昔から中身が見えないものに、何故かすごく執着してしまうあたし。
そのせいか、早く入りたいという思いがす先走ってしまう。
それなのに、教師の話がやけに長い。
その15分後。
やっと長い話が幕を閉じる。
「やっとだ!やっと」
「そんなに楽しみ?期待はずれで落ち込んでも私知らないよー」
「愛子はホント酷いなあ」
そう言うとまた、ははっと笑われた。