この出会いが奇跡なら-上-
「じゃあ、いつものとこでも行こっか」
「うん、そうだね」
そんな会話をしつつ、あたし達はいつも行っている近場のショッピングモールへと、電車を使って向かった。
唯一大きいそのショッピングモールは、数年前出来たばっかりで、そのため凄く綺麗で、お客さんにもすごく人気がある。
女の子が気にいる可愛らしいお店も、もちろんたくさんある。
それから電車に揺れること20分、ショッピングモールへと到着。
「…あ、桜お昼食べた?」
「うん、少しだけ食べて来たけど?」
「私、実はまだだからさ、先にお昼食べても良いかな」
「うん、いいよ。あたしも少ししか食べてないし」
人がわんさかいるフードコートへ行き、何とか席を確保し、あたしはキッズサイズのアイスを一つ買った。
「はあ、おいし」
「桜って本当、甘いの好きだよね」
「うん、ストレス溜まった時にはこれが一番」
「あんたにストレスなんて溜まらないでしょーが」
「ふっ」と小さく笑った愛子が、あたしにそう言って、当のあたしは、少し眉間に皺を寄せる。