この出会いが奇跡なら-上-
307号室と書かれたドアをガチャっと開ける。
「…うわ、なんかこっちの部屋広くね!?」
「え、どこも一緒なんじゃないの?」
「んー、俺と悠紀二人だけだからかなー。ここまで広くねえ」
「へぇ」
「ここ、3人部屋だろ?」
「うん」
「やっぱ違うんだな」
「……そりゃ、ベッドとかで幅とるからね」
そう言うあたしに、光輝がそっと声を掛けてきた。
「……なあ」
「え?」
「お前、何でそんな暗いの?」
「別に、暗くなんかないよ」
「いつもと違うんだけど」
「一緒だよ?」
「…成斗か?」
「……えっ!」