この出会いが奇跡なら-上-
ずばりと当てられて、あたしはそれっきりグッと黙りこんでしまう。
「…あいつって成斗の事、好きなんだろ?」
「え…?アイツって真衣の事?」
「ん、あぁ、そいつ」
「うん。協力してって、言われてね」
出来るだけの笑顔で、光輝にそう答えた。
「…そんなに気になるんだったら、俺が忘れさせてやるよ」
光輝にそっと耳元でそう囁かれて、不意にどさっと後ろへ押し倒された。
「え、ちょ…っ、光輝?」
「俺が、いるじゃん」
ゾクっとする感覚とともに、光輝の体温が肌に直接感じる。
…まって、駄目。
「…桜」
光輝が耳元であたしの名前を呼んだ、ちょうどその時だった。