この出会いが奇跡なら-上-




それからの数時間後。

あれから二人はどうなったんだろう。とか、ずっと考え込んで、じっとなんてしてられなかった。



愛子も帰って来ないし。


「…………」


ふと見上げた時計の針は、ちょうど5時半を差していた。


確かこの時間って、お風呂に入る時間だったはず。とふと記憶を頼りに思い出す。


先に入ってもいいかと思い、手っ取り早く用意をして風呂場へと向かった。



「はあ」


全然楽しくない。何この修学旅行。




浴槽に浸かっていると、愛子か真衣が帰って来たのか、ガチャリと扉が開く音がした。




「成宮さん、お風呂入ってるの?」

真衣だ。


「あー、うん。」とだけ答えて、あたしはひたすらどうなったんだろう。と同じところをグルグルと考える。



でも、考えれば考える程、胸が苦しくなる。



それに、今日の成斗の冷たい態度。



あれ、ホント意味分からない。




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