この出会いが奇跡なら-上-




ふいに出た、自分の口からの言葉。


『俺がいるじゃん』


何言ってんだ。と自分でも耳を疑った。




けど、そう言う俺は、もう隠し通せないないんだって、その時改めて気づかされた気がした。



嫌なタイミングで成斗が部屋に入って来た時、成斗の冷たい態度に、俺には絶対向けない瞳をして、桜はじっと成斗を一直線に見つめていた。


そんな姿なんて、見たくない。


自分の気持ちに気付くのがこんなに早いとか、そんなのもう関係なく、俺は、桜が好きなんだ。



自分の心の中にある恋ってやつに、俺は今日、気付かされた。




< 126 / 203 >

この作品をシェア

pagetop