この出会いが奇跡なら-上-
その後、あっという間に嫌な肝試しが始まった。
ホテルのオーナーさんの話は、怖がりのあたしからするとそれはもう怖くて怖くて、ずっと愛子の腕にガシっとしがみついていた。
その15分後、怖い話がバッドエンドを迎えてやっと幕を閉じる。
ほっと息をついたのもつかの間、教師がここがスタートなとそう言って、第2の恐怖がやってきた。
本当にやりたくない。嫌だ。
しかも一緒に行くのがこのナヨナヨしてる、頼りのない男の子だし。
あたしこういう男の子が一番苦手なんだよね。
そしてそれから数分も経たないうちに、一番初めに入った子たちの悲鳴がすごく大きく聞こえて来た。
あたしはもうその叫び声を聞いただけで、今すぐこの場をダッシュで逃げ出したい。