この出会いが奇跡なら-上-



音がした方を恐る恐る見てみると、突っ立っているだけの髪の長い女の人が一人。




「…きゃーーー!!」


半分泣きそうで、これでもかというくらい叫んじゃって、その場から思いっきり逃げ出した。




前なんて見ずに、全力疾走で走る。

走っている途中、一緒にいた男子置いてきてしまったと、後々気づいた。



どこでストップしていいか分からないまま走っていると、いきなりゴツンとでかい石に足をつまづいてしまった。




「い、いったぁー…」


痛めた足を抑えながら、じんじんと滲みる箇所を目で確認した。



ああ、足とひじから血が出てる。最悪だ。



そう思っていたのも束の間、あたしはキョロキョロと辺りを懸命に見渡した。



「…ここ、どこ?」




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