この出会いが奇跡なら-上-
怖い。怖すぎる。
――――成斗。
何とかこの場から元の場所へ戻ろうと思い、足にぐっと力を入れる。
……だけど、全然足に力が入んない。
足、くじいちゃったのかな。
血も出てるから、すごく痛い。
本当についてない事ばっかだな。と思いながら、怖い事なんて真っ平考えないように、違うこと考えようと努力する。
けど、こんな暗すぎるとこで一人だなんて、考えれば考える程、思考が怖い方へと引きずられていく。
誰も助けに来なかったらどうしよう。
あたし……、どうなっちゃうの。
嫌だよ、怖い。
――――――成斗。