この出会いが奇跡なら-上-
不意に呼ばれた声に、あたしはそっと顔をあげる。
「……やっと見つけた」
「…、成斗…?」
どうして?
それに、少し成斗の息が荒い。
もしかして、あたしを探しに来てくれたの?
「いなくなったって先公が言ってたから」
「…………」
嘘。あたしのために?
そんなの、嘘みたいだ。
「…うっぅぅ、成斗」
「泣くなよ。どっか痛めたのかよ」
「……うっ」
それもそうだけど、今はちょっと違うよ。