この出会いが奇跡なら-上-



そう思いながらも、買ったばかりのアイスを一口一口、口へ運ぶ。



何これ、旨過ぎる。

もう一個欲しいかも。


だけど、今日これでアイス2個目な事に気が付いて、どうも3個目食べるのはカロリーがやばいな、なんて思ったから3個目食べるのはやめにした。



「おいしー」


そう浮かれながら歩いていると…


―――ドンッ



「…痛っ」


いきなり、反対方向から来た誰かとぶつかってしまった。



「あ……」


顔を上げて謝ろうとしたら、ぶつかった人の服にはあたしが食べていたアイスがべっちょりとついていた。



「す、すいません!」

あたしがバッと頭を下げて謝ると、目の前の人はにっこりと笑って「いいよ、いいよ」と優しくそれだけ返してくれた。


や、優しい人でよかった…


「あの…服、弁償します…」







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