この出会いが奇跡なら-上-
翌日、修学旅行二日目。
「桜ー、集合10分前だよー」
「んー」
「起きなって」
愛子の声が聞こえるなんて思いながら目を開けると、あたしの目の前には思った通り愛子の姿があった。
「あ。え?愛子今なんて言った?」
「…だから、集合10分前」
「嘘!起こしてよ!」
「起こしても起きなかったのよ」
「………」
嘘だろう、朝っぱらから最悪なんて思いながら、あたしは急いで身だしなみを整えて指定服にさっさと着替えをすました。
「ほら行くよー、真衣もう行っちゃったよ」
「ちょ、ちょっと待ってよー」