この出会いが奇跡なら-上-
あたしが、え?なに!?なんて思っていると、
「馬鹿じゃないの…」って、さっきとはすごく違う低い声でそう言われた。
「えっと、あの…」
「本当に付いてくるとは思わなかった」
「……?」
何を言ってるんだ、この人は。
付いて来てって言われたから、あたしは付いて来たのに。
「君、結構可愛いし、これのお返ししてくれるんだろ?」
そいつはアイスを指さしてニヤリと笑った顔でそう言った。
…………しまった。
あたしは即座に、今自分の身が危ないって事を知る。
その場から逃げようとして走り出そうとしたら、不意にグッと半端ない強い力で腕を掴まれた。