この出会いが奇跡なら-上-
高校生活1日目
「やった!桜!クラス一緒!」
「え!嘘?ほんと?」
「うん、同じ2組だよ」
親友の愛子と、クラスが一緒?
絶対高校に入ったら離れると思っていたから、今年も同じクラスだと言う事実に物凄く嬉しくなった。
あたしはわざと、家の近くよりも遠い高校を選んだ。
同じ中学の人がうじゃうじゃいる近場の公立は、何故か行く気になれなかった。
どうせなら誰も知らないところで、新しく過ごす方が良いと思い、愛子と一緒にここの高校を専願で受け、見事合格して、ここの学校に入学できた。
偏差値は高くもなけりゃ低すぎるわけでもない。
それもそれで丁度よかったのかもしれない。
新しいクラスにドキドキしながら、あたし達は教室へ向かう。
結構みんな来ていて、知らない人ばかりいるのが当然の事。
みんな初対面で、物凄く静かだったけど、これが2学期、3学期になってくると、わいわいはしゃぐんだろうな…なんてそんなどうでも良い事思い、黒板に貼られていた席順の紙を見てストンと自分の席に腰を下ろした。
先生が来る間、ずっと愛子と話合っていると、何人かの女の子があたし達に声を掛けて来た。
その後もその子たちと楽しく話をして、ここの学校で楽しくやっていけそうだなと、心の中でそう思った。
―――――――………
『新入生の皆さん、ご入学おめでとうございます』