この出会いが奇跡なら-上-





入学早々遅刻して来て、しかも暴言を吐き捨てた彼は、わざと音を立てて自分の席にガタンと座った。


その姿に、担任も「はあ」と溜め息をつく。


自己紹介続けて、と担任に言われ、途中で入ってきた彼によってストップしていた自己紹介がまたスタートする。



…………って、ちょっと待った。



彼の席、あたしの隣なんだけど!






何でこんな奴の隣に!


そう思いつつも少し気になったから、隣の席に座っている彼へとチラリと視線を向けた。



「…………」

「…………」



―――――は?



「あ、お前」




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