この出会いが奇跡なら-上-
マジで恋する5秒前
「ねぇねぇ、俺等と遊ばない?」
少し暗くなってきたいつもの道を、親友と二人で歩いていると、いきなり高校生くらいの男性4人があたし達にそう声を掛けてきた。
世間で言う、ナンパってやつかもしれない。
声を掛けて来た4人に顔が嫌でも引きつるあたしと親友は、いそいそとその場を離れる。
だけどそう簡単には返してやらないというオーラを放った怪しい男性4人にずらっとその場に囲まれてしまった。
「ちょっとだけでいいからさー?」
そう言ってくる軽々しい言葉に、「結構です!」と隣で心強い親友が言い放つ。
だけど、そんなのまったく効くこともなく、
「断り方も可愛いー」なんて言いながら、全然聞き耳持たずに、あたし達は無理やりひと通りの少ない路地裏へと引きずりこまれることになった。
その時はもう怖くて怖くて、何されるのかとか、十分に理解出来たから、その分余計に怖かった。
どさっという鈍い音と共に、あたし達は壁に押し付けられる。
ああ、もうこれで最後なんだって、
唇をきゅっと噛みしめて、
出てくる涙を必死に堪えて、
心の中で、死ぬ気で助けを求めた。
誰か、助けて…!と。