この出会いが奇跡なら-上-



「……へ?」

「何つー間抜け面してんだ、お前」

「よ、呼んでいいの?せ、…成斗って」




やばい。

これは恥ずかしすぎる。


「俺が呼べって言ってんだから良いんだよ」


「………」


その一言にドキンと胸が跳ね上がる。



まさかの呼び捨て……?

…嘘嘘、何この急展開。


本当に呼んじゃっていいの?

………成斗って。

嬉しいような、恥ずかしいような、

よく分からない感情。



「あ、あのさ…せ、成斗…」

やばい。

噛みまくるし、声がどんどん小さくなっていく。


「ふ、何?」

こいつは、そんなあたしを「ふ」っと笑ってあたしに視線を向ける。


笑わないでよね。


「…他のみんなも、この学校にいるの?」

「…他?」

……ん?

あたしの聞き方がおかしかったんだろうか。

聞き返されても困るんだけれども。


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