この出会いが奇跡なら-上-
愛子にメールを送ると、即効で“行く”と返事が返って来て、あたしと成斗と愛子の3人で、よく集まると言う集合場所へ向かった。
「…………」
……ここって、
「…ゲーセンじゃん…!」
「ああ、そうだけど」
確か愛子、こういうとこ嫌いだったんだよなあ。
愛子は少し引きつった顔をしたけれど、渋々中へと入ってくれた。
成斗があたりを見渡していると「いたいた」って光輝君達を見つけて手を振った。
それに気づいた光輝君達もこっちへ手をあげる。
「…あーーー!!!」
光輝君が手をあげた瞬間、いきなり光輝君がそう響き渡るような大きな声で叫んだ。
「うるせえな、光輝」
成斗がそう言うと、光輝君はその言葉を無視して、あたしと愛子の方にバっと振り向く。
「あ、えっと、昔会ったことあるよね?俺等」
振り向いた途端、不意に予想外な言葉を光輝君がサラリと口にして、「嘘!?」と驚きを隠せないあたしは、「あたし達の事、覚えてるの!?」と光輝君にそう問いかけた。
「うん、確か助けたような…」
「そうそうそう!2年前に助けてもらって」
よかった。
覚えてくれている人がいて本当によかった。
成斗はもう、すんなりと忘れてるから。
そのまま話を聞くと、成斗以外は全員あたし達の事を覚えていてくれた。