この出会いが奇跡なら-上-




「ねえ、光輝は何もしないよね?」


ちょっと不安になって、そっと光輝に聞いてみる。


「んぇ?するって何を?」


よかった。分かってないみたい。


「ああ、成斗みたいなこと?」



……図星だ。

しかも何故知ってるの。

そう、とだけ呟くと、妄想激しすぎだろ!とそう言って大声で笑われた。


「成斗みたいに誰でもいいなんて考え、俺は持ってないし」


今の言葉が、チクンと心に針が刺さったような気がした。


…誰でもいい、か。

やっぱし、そう思ってるのかな。




「へえーここか、一軒家なんだ」

「うんそうだよ、さあ上がって」




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