この出会いが奇跡なら-上-
「今お茶と救急箱持ってくるから!」
「さんきゅー」
その数分後、お茶と救急箱を用意し、光輝の元へと急いだ。
「ほら、傷口見せて」
「ん」
血が痛々しい程、滲み出てる。
「ちょっと染みるよ?」
ちょん、と消毒液で濡らしたコットンを傷口にそっと当てる。
「いってえーーっ!お前下手くそなんだよ!」
「はあ!?あたし器用なんだから!」
「冗談は顔だけにしろよ」
「な、なんだと!」
それに自棄にムカついて、顔の傷口に思いっきし、コットンをグッと押しつけてやった。
その後の光輝の叫び声と来たら、とんでもないったらありゃしない。
「優しくして。お願いだから」
可愛い声と顔でそう言われて、ちょっと可哀そうだなと思ったあたしは、言うとおりに優しく手当てをしてあげた。