この出会いが奇跡なら-上-
「あの…、」
やっぱり。この人、何か知ってるんじゃないの?
「…知ってんの?」
「は、はい」
誤解を解く手がかりにやっと近づけたと、そう思った。
「そいつの名前、組、学年、見た目とか、詳しく教えて?」
「え、えっと、僕が言ったって言わないでくれますか…?」
「言わないから。俺そこまで腐ってねえし。早く教えて」
口調は優しいけど目が怖いよ、目が。
悠紀は黙ったまんまだけど、オーラが怖い。
ああ、可愛そう。
「…山下 智樹、1-4。身長が高くてサッカー部に所属してる、結構カッコイイと評判の良い奴です」
「そいつか…」