この出会いが奇跡なら-上-
「え、えっと、あたしは、成宮 桜(ナルミヤ サクラ)!」
「私は山川 愛子」
テンパってるあたしとは裏腹に、自然とスラスラと名前を述べる愛子。
ホント、そのどこでも振る舞える平常心が羨ましい。
「ふーん。…そうか。じゃあ、またな」
ええ!?待って!それだけ!?
そう思いつつも、目の前の不良はそれだけ言って、そのままこの場をゾロゾロと去っていってしまった。
「…………」
……あれ。
でも、今。
あの金髪イケメン。
……何て言ってた?
……「またな」って、そう言ってた?
「…………嘘」
これが、最後じゃないって、思っても良いって事?