この出会いが奇跡なら-上-
その二日後。
無事、万引きの件は校長先生のおかげで撤回された。
いや、半分はあたしたちのおかげ?
山下君をハメて成斗を辞めさせようとした、坂井先生は当然のように、退職処分。
そして今日、1週間ぶりに成斗が学校へ来る。
あたしの頭の中は、早く会いたいのその一言で、それ一色に染まってしまっている。
ああ、早く来ないかな。
そう思いながら、一人そわそわしていると、不意に教室の扉がガラっと開いた。
「春、遅刻何回目だと思ってるんだ」
「5回目?」
少し笑いながらもそう言って、ストンとあたしの隣に腰掛ける。
担任はもう見るに見かねない感じで、成斗なんて気にせず、出席点呼を始めた。
「………」
……うわ、成斗だ。
何だかすごくすごく会ってなかったような感じがする。
たったの一週間、会ってなかっただけなのに。