この出会いが奇跡なら-上-
待ちに待った修学旅行
退学危機から、1か月が経った頃。
今日は前々から楽しみにしていた修学旅行当日。
この時期に修学旅行だなんて、超が付く程可笑し過ぎるけど。
「ああ、もう駄目」
「根性ないなー、桜」
そんな事言われたって、2泊3日分の用意は思ってた以上に重い。
それに女子には女子なりの必需品ってものがあるし。
その後、愛子と一緒にいつもより早く学校に到着する。
「結構皆早く来てるんだね」
「桜がマイペースなだけじゃない?」
「愛子もでしょ!?」
「あ、皐月だ」
即効無視かよ。
でも皐月がいるってことは。
期待を膨らまして、クルっと後ろに振り返ると、
「………」
半分は予想してた期待はずれ。
あたしが振り返った先に、成斗の姿はなかった。