この出会いが奇跡なら-上-
集合がかかって、背の高い順に並んでいく。
「委員長、副委員長、点呼お願いね」
それから、長いにも程がある、校長先生の話。
光輝のお父さん、話は短めでお願い。
そんな意味ない、猿の話までしなくていいから!
それからの15分後。
意味無さすぎる話をされて、やっと校長先生の話から解放された。
「はい。じゃ、1組から順にバスに移動しろよ」
そわそわと辺りを見渡しても、成斗の姿はまだ見当たらない。
「…何やってんのよ、アイツ」
「桜?何か言った?」
「え、いや、成斗遅いなあと思って」
「ああ。成斗君ね。確かに遅い。気になるんだったら、せっかくメアド交換したらしいし、メールすればいいじゃん」
「あ、その手があったか」
「本当馬鹿ねー」
「うるさいなあ」
愛子に言われた通り、即効で成斗にメールを送った。
『何で来ないの?なんかあった?』
そう送ると、その数分後、ちょっかりと成斗から返信のメールが返ってきた。