あ、私、魔王の娘ですよ。
「失礼します。
転入生のライナ・魅神ですけど……」
ライナ・魅神というのは私の人間界での名前。
魔界の人間は、人間界での名前を持っていたりする。
まあ、そして先生、というか教官らしき人が近付いてきた。
ん?
アレ?この人………
「あー…、ミカミ?
ん、ミカミ?……まあ、いいか。ちょっと煙草持ってねえ?」
「………」
そういって頭をかきながら右手を出してきた教官に、かなりの見覚えがある。
どういうこと?
「なんだぁ?」
「…ルシファ…?」
「!何で俺の名前を……
お、お嬢っ?」
「あなたルシファよね?
きゃーっ懐かしい!」
思わず飛び付いてしまった。ルシファは困ったように私を受け止めると、「ちょっと場所変えるぜ」と言った。