天の上からお助けします☆


僕は震える手に神経を集中して一直線に手首に振り落とした。



―が、ナイフは僕の手首に突き刺さる前に止まった。



「カルロス・・・」


僕が振り落とそうとするナイフを、カルロスはぎゅっと握りしめて止めた。


「みっともないですよ」


冷静に言うカルロスの手から血が僕の手首に落ちた。


「ひぇっ!!」


僕はその血を見て尻もちをついた。


―僕はまだまだこれぐらいか。



『まっ、死んでも誰も泣かせない根性あるならいいけどね』


最後に聞いたのはウメコの声だった。


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