*エトセトラ*
ずっとおとなしく寝ていたおかげで、熱は4日ほどで完全に下がった。

それから3日間ほど、念のため家で休むようにと言われていたので、熱が下がっても大人しく家で過ごした。

本調子ではないけど、身体もずい分軽くなってとてもラク。熱のせいで体力を奪われたせいか、少し体に力が入らない程度だ。

本当に一週間かかってしまったけど、もしかしたら、明日には大学に行けるかも。

やっと和泉君に会える…!


早速和泉君にそう連絡をすると、すぐに電話がかかってきた。


『モカ、もう大丈夫なのか?』

「うん、心配かけてごめんね。もうほぼ治ってるんだけど、念のため今日もお休みしたの」

『体はツラくない?』

「少し力が入らないくらいで、気持ち的には元気だよ!」


もう少しで和泉君に会える嬉しさからか、自然と声が弾む。早く明日にならないかな。


明日のことを思って頬を緩めていると、一呼吸おいて和泉君が返してきた。



『モカ、………今から会いに行っていい?』

「………え?」

今から?

会いにって、うちに?


「今大学にいるんじゃないの…?講義は?」

『それは大丈夫。……ダメか?』

「え、と…、今から?本当に?」

『ああ。もうマジで限界なんだ俺。じゃあ、今から行くから』

「ええっ…」


そう言って電話は切られ、一瞬ポカンとしてしまった。

今から和泉君が来る?そりゃ、私も1日でも早く会いたいけど……

でも……


チラリ、と思わず自分の状態を鏡で見た。同時に冷や汗が流れる。


………ま、マズイっ!!

さすがに、この状態のまま和泉君に会えないよっ!!

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