*エトセトラ*
「もしもし?」

電話に出ると、聞こえてくるのは私の心をいつも高ぶらせる先生の甘い声。


『結衣?今、家にいる?』

「はい、どうしたんですか?」

ドキドキと心臓が高鳴るけど、先生に気付かれないように平静を装った。


『いや、最近全然会ってねえから…声が聞きたくなっただけ』

「…//////」

いつでも直球な言葉に照れてしまって何も返せないでいると、『結衣?どうした?』と沈黙している私を先生は心配し始めた。


「あ、いえ…っ!!何でもないです…」

ここで、「私も声が聞きたかった」と返すことができたら、可愛い女の子なんだろうけどな…。


しかし、私がそんなことを考えているなんて先生は気付いていない。続けて話し始める。


『悪いな、最近忙しくて…』

「いえ、私もテストとかありましたし…」

先生の言う通り、最近お互い忙しかったため、2週間ほど会っていなかった。私がテストや課題に追われていたせいもあるけど、先生の仕事がさらに多忙を極め、本当に会う時間がなかったのだ。

ちなみに、先生は今も仕事中みたいで、僅かな時間を見つけて電話をかけているらしい。


『もうムリ。限界。ぶっ倒れそう』

「先生…」

ここぞとばかりに不満を吐く先生に、だんだんと心配になってくる。


「そんなに忙しいんですか…?体壊さなきゃいいけど…」

『んあ?いや、仕事じゃなくて、……結衣が足りないせいだ』

「……はい?」

『結衣に会えなくて、いよいよ限界。マジでどうにかなりそう』

「ちょっ…!!」


またそんなことを…っ!!


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