*エトセトラ*
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―――…


さすがにムリだと思ったけど……。



き、来てしまった…。

目の前にそびえ立つホテルを見上げると、体に変な緊張感が走った。


2人の勢いに押され、あれからすぐ自宅に戻り、簡単な着替えだけ用意して新幹線に乗った。

お母さんも「今からっ!?」と驚いていたけど、一応了承をもらってきた。お母さんには、先生との交際のことを隠さず言っている。元副担任と、ついでに三神グループの次男いうことで腰を抜かすほどビックリしていたけど、私たちを応援してくれている。




金一郎さんや志銅さんは簡単に言ってたけど…、本当に大丈夫だったんだろうか…。

いつもの私には考えられない行動力に、自分自身ビックリしている。いつから私はこんなに大胆になったんだろう。

たぶんきっと、先生の影響かもしれない。



いつまでもここに立ってるわけにもいかないので、フーッと息を吐いて気合いを入れ、ロビーに入った。


……先生に会うだけなのに、なんでこんなに緊張してるんだろう。

そう思いながらも、ドキドキとする心臓はおさまらない。


もうすっかり辺りは暗くなってるけど、いつ仕事が終わるか分からないので、ロビーで待つことにした。


緊張するなぁ…。

高級感漂うソファーに身を預けながら、そわそわと落ち着かない気分で携帯を眺めた。


……電話、しちゃおうかな…。仕事だったら申し訳ないけど、着信が残ってたら連絡くれるだろうし…。


そう思って、コールボタンを押そうとしたその時、偶然にも先生から着信が入った。


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