*エトセトラ*
『超会いてぇ…』

そんな先生の呟きを聞きながら、部屋の前に到着した。先生の言葉に、思わず笑みがこぼれてしまう。


『結衣は今日何してんだよ』

「すごく、大事な用事です」

『俺の誕生日よりっ!?一体何してんだよっ!!ていうか、さっきのホテルって何だ!!まだ詳しく聞いてねえぞ…』


ま、まずいかもっ!!

怒りが再燃し始めたので、慌てて部屋のドアをコンコンとノックした。


……しかし、先生が出てくる気配がない。電話口では相変わらずブツブツ言っている。


「あの、先生?ノックが聞こえません?」

『ああ?んなもん、ほっときゃいいんだよ』

ほっとかれちゃ困るんだってばっ!!

もう一度強めにノックをすると、先生がとても面倒くさそうに、『鬱陶しい…誰だよ…』と呟く。

それでも出てこないので何度もノックをすると、ようやく降参したのか先生は私に断りを入れてきた。


『結衣、ちょっと待ってて。すげえしつこい奴がいるから、ちょっと出てくる』

「はい」


すげえしつこい奴、私なんだけどね…。


1人苦笑いを浮かべていると、部屋のドアが開きながら先生の声が聞こえてきた。


「誰だ…しつけえな……」


すごく機嫌が悪そうな顔をしながら出てきたけど、目の前に立つ私を捉えた途端、その顔はピタリと固まった。


「…………」


「き、来ちゃいました…」


何も言わない先生に少し笑いながら伝えると、先生は持っていた携帯をボトッと床に落とした。

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