*エトセトラ*
菜都のことが頭から離れない。


いつ、誰と、どこで、何をしているのか、考え始めるとキリがない。

菜都が傍にいないと落ち着かない。

気になって仕方がない。


――――自分がどうにかなってしまいそうになる。



「ねぇ、久世君。最近どうしたの?」

「……何が?」


分かっている。自分がおかしいことなんて。

朝も、昼も、放課後も、ずっと付きまとう俺に、菜都も怪訝な表情を浮かべている。


だが、それでも止められない。




さらに、そんな時現れたのが―――

菜都の隣の席の男。

当初から気付いていたが、アイツは菜都に惚れている。

しかも、あろうことか、菜都もまんざらじゃない様子。アイツといる時は、穏やかで柔らかな笑顔をよく見せる。


そんな2人の姿を視界に入れるだけで、ハンパなくムカついている自分がいる。


思い出すだけでも、……いや、マジで苛つく。


どうしても、許せない。

菜都が他の男と一緒にいるのが、イヤでたまらない。


――――俺の「彼女」だ。


菜都は、俺の。



嫉妬と独占欲。


初めて知った感情に、否応なしに自覚してしまう。



俺は、原田菜都に惚れているんだと―――…

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