*エトセトラ*
だから、あの光景を見たとき、頭が真っ白になった。
菜都の上に、男が馬乗りになっている姿。
押し倒されて、押さえつけられている姿。
それを視界に捉えた途端、プツンと何かが切れ、気がついたら、菜都の足を押さえていた男を蹴り飛ばしていた。
そして、菜都をこの場から離したあとからのことは、もうよく覚えていない。
とにかく、キレていた。
我に返ったのは、3人の男が倒れたまま動かなくなっていた時。それでもまだやり足りなかったが、あとはもう健司に任せることにした。
とにかく、今は早く菜都の元に向かいたい。
菜都は大丈夫だろうか、ただそれだけが心配で―――…
「菜都っ!?」
急いで保健室に向かうと、菜都はひどく驚いた様子で立ち上がり、「久世君大丈夫だった!?」と何故か俺の心配をしながら駆け寄ってきた。
その姿にたまらず手を伸ばし、菜都の体を閉じ込めるように、ギュッときつく抱き締めた。
「菜都、……大丈夫か?」
声をかけるが、菜都は腕の中で固まっている。
「菜都…」
もう一度声をかけると、「だだだ大丈夫だからっ、…離してっ!」と腕を突っ張りながら、かなりパニックになっている菜都の声が返ってきた。
離すわけないだろ。
若干力を込めると、さらに菜都は腕の中で慌て出す。
「わ、私のことはいいからさ!久世君ケガはない!?」
「俺より、菜都は…」
「久世君!!少しケガしてるじゃん!!」
……は?
さっきまで恐い思いをしていたというのに、菜都は俺の怪我の方を心配し始めた。
さらに、手当てをすると言ってきかない。
……何で俺の方を心配してんだよ…。
菜都の上に、男が馬乗りになっている姿。
押し倒されて、押さえつけられている姿。
それを視界に捉えた途端、プツンと何かが切れ、気がついたら、菜都の足を押さえていた男を蹴り飛ばしていた。
そして、菜都をこの場から離したあとからのことは、もうよく覚えていない。
とにかく、キレていた。
我に返ったのは、3人の男が倒れたまま動かなくなっていた時。それでもまだやり足りなかったが、あとはもう健司に任せることにした。
とにかく、今は早く菜都の元に向かいたい。
菜都は大丈夫だろうか、ただそれだけが心配で―――…
「菜都っ!?」
急いで保健室に向かうと、菜都はひどく驚いた様子で立ち上がり、「久世君大丈夫だった!?」と何故か俺の心配をしながら駆け寄ってきた。
その姿にたまらず手を伸ばし、菜都の体を閉じ込めるように、ギュッときつく抱き締めた。
「菜都、……大丈夫か?」
声をかけるが、菜都は腕の中で固まっている。
「菜都…」
もう一度声をかけると、「だだだ大丈夫だからっ、…離してっ!」と腕を突っ張りながら、かなりパニックになっている菜都の声が返ってきた。
離すわけないだろ。
若干力を込めると、さらに菜都は腕の中で慌て出す。
「わ、私のことはいいからさ!久世君ケガはない!?」
「俺より、菜都は…」
「久世君!!少しケガしてるじゃん!!」
……は?
さっきまで恐い思いをしていたというのに、菜都は俺の怪我の方を心配し始めた。
さらに、手当てをすると言ってきかない。
……何で俺の方を心配してんだよ…。