*エトセトラ*
「ううん、全然」

浅野さんは、キョトンとした顔をしながらあっさりと答えた。


ぐっ……。

浅野さんのその一言に、僕もかなりのダメージを受けてしまった。

で、でも…きっとウソだ…。

浅野さんは黒崎の手前、とっさにウソをついたに違いない…!!

だって僕たちは相思相愛のはず!!


そう決めていると、また2人の会話が聞こえてきた。


「ねえ、それより、これどうしよう…。ちゃんと本人に届けてあげないと」

「貸して、モカ」

浅野さんから手紙を受け取った黒崎は、なんのためらいもなくビリビリと破りながら手紙をゴミ箱に捨てた。

「ちょっと和泉君!!」


ああ!!黒崎めっ!!なんて事を!!

僕の想いが詰まった渾身のラブレターをっ!!


「和泉君ヒドイよ!!可哀想じゃない!!」

ほら!!浅野さんだってあんなに怒ってるじゃないか!!
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