*エトセトラ*
「和泉君何であんなことするの!?」

「大体分かったから。もういい」

そう言って黒崎は浅野さんの手を握り、「帰るぞ」と連れて行ってしまった。


「分かったって何が!?ちっとも分かんないよ!!」

無言のまま歩く黒崎に、浅野さんが声をあげていた。



そして、翌日。


「米倉、ちょっと来い」

休憩時間、アニメのユメ子ちゃんのカードをファイリングしている僕に、黒崎が話し掛けてきた。


「……何の用だい?」

「分かるだろ」

普段、全く接点のない僕たちがこうして会話していることに、クラスの皆は驚いている。


「もしかして……。このカード?フッ、あげないよ」

「いるか!!」


カードのことじゃないなら、浅野さんのことだな…。仕方がない。

ため息を吐きながら席を立った。

< 37 / 210 >

この作品をシェア

pagetop