*エトセトラ*
そして、皆から注目されながら屋上へと向かった。
運良く浅野さんは教室にいなかったので、僕たちがここに来ていることなんて知らない。


「何だい?こんな所まで?」

「……ユメ子ちゃんって、モカのことか?」

「ハハ、何言ってんの今さら」

「あの手紙もお前だろ。訳分かんねえことしやがって」

「言っただろ?本気を出すって」

「本気って……あれが?」

「フッ。浅野さんだって感激してたはずだ」


僕の言葉に、黒崎は鋭い視線で睨みつけてくる。


「とにかく…。モカには近付くな」

「近付くなって、黒崎君こそ。いい加減、浅野さんを解放してくれないかな」

「ふざけんなよ…」

静かに怒りのオーラを放っている黒崎に負けじと、僕も精一杯睨み返した。



< 38 / 210 >

この作品をシェア

pagetop