*エトセトラ*
それ以来、黒崎の浅野さんに対するガードが固くなった。

少しでも近付こうとすると、容赦ない視線が送られてくる。


黒崎め…。なんて諦めの悪いやつだ…。


それから何度か浅野さんの机やくつ箱にラブレターを忍び込ませたけど、浅野さんが見つける前にことごとく破り捨てられる。


黒崎め~!!いい加減本気を出さなければっ!!
怒りでわなわな震える僕に、黒崎が近付いて来た。


「米倉、いい加減にしろよ。誰だろうと、モカに近付く男は許さない」

「フッ、黒崎君。そのセリフ、そのままお返しするよ」

「何だと?」

「浅野さんに相応しいのはこの僕だ」

「……ああ?」

今までにないくらい、黒崎は凄みのある恐ろしい表情で僕を睨みつけてきた。



こ、この男、危険すぎる…!!

足がすくみそうになったが、意を決して黒崎の前から走り去った。


予定より早いが、浅野さんに僕の熱い想いを告げよう!!

そして、2人で黒崎から逃げよう!!愛の逃避行だ!!

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