*エトセトラ*
うっ…。

やっぱり、いざとなると恥ずかしくなってきた…。

水着に着替えたはいいけど、この姿で外に出て、和泉君に見られるのが妙に照れくさい。

どうしよ…。


出入り口に近づき、そーっと外の様子を見た。

和泉君が壁に寄りかかりながら、おとなしく私を待っている。腕を組み、少し俯いているその姿は若干不機嫌そうにも見える。

どうしよ…。待たせすぎかな…。

覚悟を決めればいいものを、羞恥心の方が勝っていしまい、そわそわと様子を伺うことしかできない。

自分の情けなさに少々呆れていると、和泉君のところに若い女子グループが近づくのが見えた。

もしかして…。

大体予想はつくけど、ここで何もできないのが、また私の悪いところだ。


その様子を傍観していると、私の耳まで女の子の色めき立った声や和泉君を誘う言葉が聞こえてくる。

やっぱり、もう逆ナンされてるよ…。

和泉君、立ってるだけで格好いいもんな…。背は高いし、引き締まった身体だし、完璧なスタイルだ。

きっと、私が着替えている間、あの子たち以外にも声をかけられていただろう。


「はぁ…」

思わずため息が出た。

ここへ来て早くもネガティブになっている。

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