*エトセトラ*
そんな日々を送っていたある日のこと。

いつものように図書館に向かう途中、サッカー部の監督から呼び出しをくらってしまったせいで、かなり遅くなってしまった。

会おうと約束しているわけではないが、毎日のように一緒に過ごしているため、それが当然のようになっている。


足早に図書館に向かうと、いつもの場所、陽射しが注ぐ窓際の席で、小さな体が机に突っ伏している姿が見えた。


「浅野?」


………。


しかし、声をかけても反応がない。

近付いてみると、……どうやら寝てるようだ。


浅野はスヤスヤと気持ちよさそうに眠っていた。

一人で勉強していたのか、開きっぱなしのノートを下敷きにしている。


起こさないように隣に座り、その可愛い寝顔を見つめた。


……無防備すぎねえか?


俺がここに来るってことは分かってんのに。

まったく意識されてないってことなんだろうか…。


はあぁ、思わず深いため息が出た。


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