*エトセトラ*
―――――
―――…

隣で眠るモカの髪を梳きながら、昔の思い出に苦笑した。

あの頃は、どうやったらモカが手に入るのか、必死に考えていた。無茶なことも、色々してたと思う。

そういや、モカに言ってなかったな…。勝手にキスしたこと。



……ま、いっか。今さらだ。


相変わらず眠ったままのモカの頭にそっとキスをしたところで、モカが「ん…」と目を覚ました。


ようやく起きたみたいだ。


「よく眠れた?」

そう問い掛けると、モカは目を擦りながらコクリと頷いた。


「ごめんね…寝ちゃって…。頭、重かったでしょ?」

「全然」

起き上がってしまったモカは俺から体を離し、うん、と少し背伸びをした。


離れてしまって、半身が少し寂しく感じる。

ふわぁっとアクビをするモカの手を取り、指を絡めながら手を繋いだ。


「…和泉君?」

「ん?」

「……何かした?」

その鋭い質問に眉がピクリと動いてしまったが、「……いや?何も」と平静を装い誤魔化した。

ご察しの通りだけど、……言うのはやめておこう。


……あの時と全然変わってねえな。


そんな自分にまた苦笑するが、「そう?」とモカはあっさり信じている。

たぶん、この秘め事は幾度となく増えていきそうな気がする。まぁ、キスするくらい、可愛いもんだし許されるだろう。

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