*エトセトラ*
和泉君、絶対この状況を楽しんでいるとしか思えない!!


和泉君から離れようとジタバタと暴れると、狭い空間のせいでカウンターの壁にガンッと身体が当たってしまった。



「なんか…向こうの方で音しなかった?」

「え!?うそ!?やめてよ〜!」


しまった!!気付かれた!?

自分の失態に焦っていると、「あーあ」と和泉君が後ろで呟きながら再び私を抱き締めた。

…まるで危機感がない。



「落ち着けよ、モカ」

「落ち着けって!!和泉君のせいでしょ!?」


思わず声を上げながら振り返ると、和泉君はまたシーッと囁いた。


し、しまった!!またやってしまった!!

慌てて口を押さえる私を和泉君は笑いをこらえながら見ている。


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