*エトセトラ*
どれくらいそんな時間が続いたか。

ようやく唇を離した和泉君は「モカ……平気?」と訊ねてくる。


平気かどうかも、もはや分からない…。

頬を上気させ、トロンとしながら和泉君を見つめかえした。


「…もう、…終わり…?」


決して催促の意味じゃなく、単なる確認だ。


しかし、和泉君からの返答はなく、息を呑む音が聞こえてきただけ。

「和泉君…?」

「――――も、ヤバい…」

「……?」

「続き、したい」


続き…?もう1回、ってこと…?

首を傾げながら和泉君を見つめるけど、何の続きかは教えてくれないまま艶やかに微笑まれ――


「……んんっ!」


今度は、荒々しく唇を重ねてきた。

いつの間に椅子から降りたのか、床に押し倒され、覆い被さってくる和泉君の体重で、身動きがとれない。


「んぁ…!!やっ…!!」

激しく奪うようなキスを繰り返したあと、首元に顔を埋めてきた和泉君に首筋を舐められ、強く吸われる。


「ちょっ…!!い、いずみくんっ…」

さらに和泉君の手が制服の中に侵入し、素肌へと触れた。


「キャッ…!!ちょっと…やっ…!!」

ただならぬ手の動きに、頭が一気に覚醒していく。

止まることない和泉君は、乱れた制服からのぞいているお腹に、チュッとキスを落とした。


「キャアッ!!ちょ、ちょっと和泉君っ!!」

声を上げる私に、和泉君がチラリと目を向けてくる。


「……ダメ?」

「だ、だめだよっ!!」

「どうしても、ダメ?」

「当たり前でしょっ!!」

和泉君の身体を押しのけながら抗議すると、和泉君は渋々といった感じでようやく顔を上げ、起き上がり始めた。


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