東条家との、出会い。~社長室・特別編~
すべての、始まり。
私の人生は平坦とは言い難く、何度も乱高下してきたけれど。
後悔したコトは、ただの一瞬もナイと胸を張って言える日々だった。
苦しみを乗り越えられたのも、笑顔を絶やさずに生きられたのも。
すべては、貴方に出会えたコトが始まりだったわね…――
そして今日もまた、穏やかに笑顔で溢れる一日が始まる・・・
「おはようございます、理沙子さん。
朝からお疲れ様です、何かお手伝いしましょうか…?」
季節柄かじかんでしまう手で、もう日課となった庭木の手入れをしていた私。
すると背後から、可愛い声が響いて振り返れば。
「おはよう、蘭ちゃん!
もう終るところだったから大丈夫よ、ありがとう。
それよりもゴメンね、昨日は私の我が儘で泊まって貰って…」
手に剪定ばさみを持ったまま、苦笑を浮かべてお詫びを入れた。
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