東条家との、出会い。~社長室・特別編~
如何にも仕立てが良く、オーダーメイドと分かるジャストサイズのスーツスタイル。
優しいブラウンの瞳に、キュッと上がった口角が印象的な整った顔立ちに。
漂う香りは爽やかながらどこか甘くて…、彼のイメージにピッタリだった…。
「理沙子さん」
「え!?」
突然に名前で呼ばれて、眼を丸くしながら彼を見返せば。
同行していたうちの1人が持っていたモノを、彼が受け取ったあと。
「宜しければ、こちらをお受け取り頂けませんか?
感謝の気持ちと…、私の気持ちです、どうぞ――」
「え・・・、宜しいのですか…?」
再び私を真っ直ぐに見つめたまま、スッとソレを差し出してくれた・・・