東条家との、出会い。~社長室・特別編~
花束や企業の商品ならば、プレゼントされる事がよくあるけれど。
でもソレは、プレゼントには珍しいモノ・・・
受け取って良いのか躊躇っていると、彼が不意に私とのキョリを縮めた。
「ずっと私は、貴方のファンだったんですよ。
今日お会いして、ますますかな…?」
「…ッ、あ、りがとう、ございます…」
真意なんて分からないのに、私の意識はもう攫われてしまって。
プレゼントの意味もよく分からないまま、小さなソレを丁重に受け取ったの。
「あと、此方もどうぞ…」
それからどこか嬉しそうな彼が、胸ポケットから紋章入りの封筒を取り出すと。
私の眼前へとまたソレも、スッと優雅な所作で差し出してくれた。
「あ、すみません…」
結局私は謝りながら、手紙まで貰い受けてしまう…。