東条家との、出会い。~社長室・特別編~
そんな態度が可笑しかったのか…。
フッと優しく一笑されて、また不用意にドキリと鼓動は高鳴って。
ブラウンの瞳を見つめていると、どうしようもなく胸がキューと締めつけられた…。
「それでは“待っています”ね?
お仕事頑張って下さい、私はこれで失礼します…」
「ありがとうございました…」
未だ手紙を開封していない私は、彼の発した言葉の意味も解らないままお礼を告げた…。
そこまで年齢は変わらないのに、大人の雰囲気漂う彼にドキドキして。
逸る鼓動を沈めたくても、目の前で優しく笑った貴方から眼が離せなかったの。
世界の違う彼だと分かっていたのに、心が言うコトを聞いてくれなかった。
それどころか、出会ったばかりで募りゆく想いに翻弄されていたね・・・
―――――――――…
「フフッ…、懐かしいわねぇ」
ソレを見つめながらアノ日を振り返ると、どうしても笑ってしまうの。